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東京ローズ~東京のバラがシカゴに散る [ラジオ・テレビ]

第二次大戦中、NHKが連合国軍向けに放送し、
人気を集めたラジオ番組があった。
番組の名は「ゼロ・アワー」

疲弊した兵士を惑わせ、戦意喪失させるための
謀略放送ではあったが、実際兵士には相当人気があったという。

国内では敵性音楽として禁じられていたジャズなどの音楽が流れ、
語りかけるようなおしゃべりが合間に流れたそれは
悲しいことに日本ではじめてのDJ番組であった。

その「ゼロ・アワー」のDJを務めたのは、
捕虜となったアメリカ人やオーストラリア人の兵士、
そして英語の堪能な女性アナウンサーも複数いたという。

特に女性アナウンサーはその甘い声もあって、
連合国軍兵士から「東京ローズ」と呼ばれていた。

戦後、日本は占領下に入り、
自軍の兵士を惑わせた「東京ローズ」の犯人捜しが行われた。

複数いたはずの「東京ローズ」ではあるが、
結局名乗り出たのはただ一人

それが親族の見舞いのため、来日していた際に
日米開戦となり、帰国できなくなってしまった日系二世のアメリカ人
アイバ戸栗ダキノさんだ。

彼女は戦時下の異国で生きるために仕事としてNHKで働き、
命令されてDJとなった。

しかし彼女は反逆者として捉えられ、
米国籍を剥奪され、市民権を奪われてその後の長い人生を
日陰者として生きることとなった。
(後に市民・日系人の熱心な訴えもあって名誉回復はされたが、
その時すでに戦後30数年が経過していた。)

まさに2つの国の間で翻弄された人生であったといえる。

そんなダキノさんがアメリカ・シカゴで亡くなったそうだ。
享年90才

彼女にとって一瞬の出来事であった「東京ローズ」は
歴史上にはいつまでも残っている。

メディアの在り方が大きく変わろうとしている昨今だが、
二度とこのような悲劇がないことを願い、
またそのために自分にできることをしたいと思う。

シカゴに散った東京のバラへ・・合掌


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