こんなお店で買い物をしたい・・

こないだお友達(♀)と話していたときの話

彼女が子供の頃、お父さんからお遣いを頼まれたそうです。

頼まれた買い物はレコード(そもそもそれが珍しいんだけど)

「今流行ってる歌で確か、「虫歯がきらりん」と歌ってるやつ」と一言。

なんてアバウトな注文でしょう。

でも彼女はレコード屋さんに行き、店員さんに言われた通り伝えたそうです。

その話を聞いた店員さん、ははーんこれだなとある曲を思い立ちます。

その曲とはさだまさしさんのヒット曲「雨やどり」

確かに歌詞の一節に・・

>>あっ　こりゃまたすいませんねと笑う　口元から虫歯がキラリン

というフレーズがあります。

→MIDIがなりますので注意してね、雨やどりの歌詞です。

他の店員さんにも相談・確認して、
今、ヒットしてるし、間違いなくこれだろうと
その曲のシングルレコードを持ってきて彼女に渡してくれたそうです。

当時のシングルレコードはジャケットの裏がそのまま歌詞カードでしたし、
今みたいに密封包装ではなかったので
ジャケットを取り出し、きちんと歌詞カードを見せて
「ほら、ここに書いてあるでしょ?」とご丁寧に説明付で・・

結果、もちろんそれが正解で、
お父さんは大層お喜びだったそうですが、
その話を聞いて、ああ、昔の・・・っていうか、昭和の頃までは

街のレコード屋さんとか、本屋さんとか、電気屋さんとか・・
お店ってそういう感じだったよなぁ・・と思わず懐かしくなってしまいました。

今はね・・

レコード屋さんも本屋さんも電気屋さんも
あの頃とは比べものにならないくらい大型のお店が増えて、
確かに品揃えも格段によくなったし、電気屋さんなんかは競争が激化して
値段も凄く良くなって・・

もちろんメリットもすごくあるんだけども、
でもこういうアバウトな質問を投げかけた場合、
こんな風に対応してくれる店員さんが果たしてどれだけいるか??
すごく疑問です。

品揃えが多くなりすぎたり、
特にレコード(つーか、CDか)とか本みたいに
これだけ個人の趣味・趣向が多様化しちゃうと
店員さんが努力したとしても、すべてをカバーするのは難しいだろうし、

そもそも論としてアルバイト・パート・派遣などで働く人が中心になっちゃって、
そんな知識持ってないどころか、覚える間もないような状態で
働いてる人も多いからね。

お店に行って探してみても見つからない場合に、
店員さんに「○○というものを探してるんですが・・」って話すと、
派遣・アルバイト>社員の順でたらい回しにされたり、
その間にGoogleで検索してたりする場面を最近よく見ます。

わかるんだけどさ・・

あれ、目の前でやられるとさ−、萎えるんだよね。
やっぱ店員さんにはプロであっててほしいというかね。

あ、あのアーティストの新譜ね。とか、
あの本ね。あそこにありますよー　とか、
即返ってくるようなレスポンスの中で店員さんへの信頼って
築けていた気がするのですよ。

さらに最近の風潮として欲しいモノは勝手に探してくださいって感じで
店内の在庫検索端末とかで客がセルフサービスで探すようなお店も増えていて
(でもキーワード登録の仕方が微妙で、こういう適当な覚え方だと検索しても
出てこなかったりして・・)

ますます時代は逆の方向に向かってるんですが・・

効率化と人件費抑制が大事なのはわかりますが、
かつて街のレコード屋や本屋や電気屋にいたプロの店員さんたちから
いろんな知識や情報を得ていたあの頃ってね。

結果、その店というか人を信頼してるから、
安心してモノも買えたし、
かえってそこから世界を広げられてた気がするのね。

Amazonは今、それを機械的にやろうとしてるんだけど、
やっぱり所詮はあくまで確率・統計の世界であってさ・・

こんな時代だからこそ、改めて
顔の見える付き合いの中でプロと接しながら、
安心して買い物を楽しみたいなぁ・・
(ネットは確かに便利なんだけども)

デパートとか、かろうじてまだそういう存在であるはず・・
なんだけど、
最近は合併だなんだでそこすら危うくなってる気が・・

でもこういうこと思ってる人、きっと少なくないと思うんだよね。

そろそろ販売業の皆さんにはデフレだから一円でも安く売るんだという
誰も得しない消耗戦をとっとと辞めて、
勇気ある撤退というか、正常な状態へ戻る努力をしてほしいし、
一部のトチ狂ったように安売りだけ求めてる人達にも正気に戻って欲しいのよね。

その上でちゃんとプロ意識を持って、誇りを持って仕事する・できる人達が
増えてくれた方が絶対世の中よくなるってば