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家路を急ぐ彼のために祈りを [日記]

今日は東北を廻っていて、いまは秋田に向かう列車内

私が定位置の通路側の席に座って本を読んでいると、
隣の席に乗り合わせた同い年位のお兄さんの携帯が
ひっきりなしに鳴っていた。

最初はメールだったのが、
電話になり、そのたびに「すみません」と席を立つ

頻度が加速度を増し、
帰ってくる度に顔が蒼ざめていく彼

聞けば父親が事故で危篤なのだとか

よほど予想もしない事態だったのか
着の身着のままで東京からすっ飛んできたらしい。

電話はパニック気味の母親かららしい

携帯の電池も切れかけているようだったので、
持っていた大容量充電池を携帯ケーブル一式差し上げた。

無駄に持ち歩いているモバイルツールも
たまには役にたったようだ。

三年前に父を見送ったときのことを思い出しながら、
故郷の駅に着いて駈け降りていった彼を見送った。

東京生まれ、東京育ち

故郷のない私は父を見送った朝も
ギリギリまで仕事をしていた。

病院までは仕事場から20分程だったが
その瞬間には立ち会えなかった。

まあ実は家族全員そうだったんだけど

前夜というか亡くなる数時間前
早朝の病室で自分なりに
別れは告げてきたつもりだったが
やはりどこか負い目は感じている。

なんとか、なんとか間に合いますように・・

遠くなっていく背中を見ながら
名前も知らない彼のために祈った。
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rono

はじめまして。突然のコメント失礼いたします。
電池とケーブル一式にこめられた見ず知らずの人の優しさが
どれだけ彼の身に沁みただろう…と思ったら涙が出そうになりました。
なんとか、間に合いますように。間に合っていますように。
私も祈らせていただきます。
by rono (2008-11-25 20:40) 

カコサリー

先日七回忌で一昨日が命日でした。お葬式の際、いとこから『自分の親は死なないように思ってしまいがち』見たいな事を言われました。そのいとこの父も事故ではなかったけれど、急死でいつもと同じ朝を向かえ、仕事に出て一報を聞いたようでした。間に合って欲しいし、出来れば危機を脱して欲しいものですね。
by カコサリー (2008-11-26 02:08) 

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