ユナイテッド93 [映画]
今更ながらですが見てきました。
良くも悪くも21世紀最初の年にあの悲劇が起こったことで、
2006年もなお世界は不安定なまま揺れています。
あの日、4機目の犠牲となった
このニューアーク発サンフランシスコ行き
ユナイテッド93便の機内で起こった実話をもとに
作られたこの映画
舞台は機内と管制側だけ、
非常に限定された視点からドキュメンタリータッチで
描かれる本作はあくまで「あの日」の一部分に他なりません。
それも本当のことが描かれているのかもわかりません。
(実際米軍の動きについて必要以上に描かれているあたり、
作為的なものを感じさえしました。)
目の前に迫る悲劇に対して、
何が起こったのかさえ満足に把握できず、
ただ光点が消えるのを見守ることしかできなかった無力な人間達と、
恐怖に打ち震えながら自らの運命を切り開こうと立ち上がった人間達。
そして信じるもののために命を投げ打ち、
心を鬼にしてテロを実行したのもまた人間達
映画は現実を超えられないにしても、
このような映画が作られたということに意義があると思いました。
「あの日」から今も悲しみが続いているというのに、
はじまりが何だったのかはうっかり忘れかねないですからね。
P.S
この93便には日本人の乗客も乗り合わせていました。
当時、早稲田大2年だった久下季哉さんです。
映画には久下さんとおぼしき日本人乗客も登場します。
犯人グループも含め、できるだけ人間をきちんと描こうという制作側の意志
を感じると共に改めて犠牲となった久下さん、
そして皆さんのご冥福をお祈りいたします。
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